小学校の個人面談/個人懇談:流れと質問のポイント

学期末が近づくと、多くの小学校で個人面談(個人懇談)が行われます。個人面談はその名の通り、先生と保護者が一対一で学校生活や家庭での様子について情報交換を行う場です。クラスの保護者が集まって話をする学級懇談会とは異なりますので、分けて考えてくださいね。

執筆 元教員 金島ちぐさ

小学校の個人面談/個人懇談の流れ

個人面談ではどんなことを言われるの?またどんなことを話せばいいの?と疑問に思われる方も多いですよね。小学校の個人面談は先生と1対1で話す時間なので、あまり緊張せずリラックスしてください。夫婦で参加してももちろん大丈夫です。

時間は1人10~15分程度

学校の規模やクラスの人数にもよりますが、多くの場合で1人あたり10~15分程度の面談時間が設けられます。事前に希望スケジュールを確認するアンケートが届き、その回答に基づいて面談の時間が決められます。兄弟関係にも配慮してもらえるので、兄弟がいる場合は同じ日の近い時間で枠を取ってもらえるでしょう。

当日は、決められた時間より10分程度早く着いておくことをおすすめします。前の人が早めに終われば早めにスタートできますし、時間にゆとりをもって話ができるからです。少なくとも遅刻はしないように、余裕をもって学校へ向かってください。

学校での子どもの様子を教えてもらう~生活面~

個人面談は、基本的には先生主導で情報交換が行われます。生活面としては、「学校で頑張っていること」「休み時間をどう過ごしているか」「友だちとどう関わっているか」「こんなところがステキ!」というような内容を伝えてもらえるはずです。基本的には、長所や良いところ、頑張っているところを教えてくれます。

もしも、友だちとトラブルがあったり、学校生活で本人が困っていることがあったりする場合も、このときに教えてもらえるでしょう。ただ、大きなトラブルや急いで対応しなければならない問題であれば都度電話がかかってくるはずですから、個人面談ではそう身構える必要はないと思います。

学校での子どもの様子を教えてもらう~学習面~

学校の勉強についていけているか心配な保護者も多いと思いますが、個人面談はそういった学習面について聞けるチャンスです。先生からは、「漢字をていねいに書けています」「計算が早いです」「図工で個性光る作品を作れました」など、こちらも良いところを中心に教えてもらえると思います。

特に低学年のうちは、テストの点数が高いかどうかよりも、意欲的に取り組めているか、楽しく集中して学習できているかがポイントです。授業中の様子も含めて教えてもらえるといいですね。

家での様子を伝える

先生から学校での子どもの様子を一通り教えてもらったあとは、「お家ではどんな様子ですか?」と聞かれることが多いと思います。家に帰ってきたときにどんな様子か(笑顔なのか、疲れた様子なのか)、宿題の取り組み方はどうか(進んでやるのか、時間がかかるのか)、放課後の過ごし方や頑張っていること、習い事、子どもが今ハマっていることなど、家での様子を伝えてください。

困りごとや心配ごとの相談

家での様子を伝えることとあわせて、困りごとや心配ごとがある場合は相談するチャンスです。宿題をやりたがらない、友だちとのトラブルがある、給食が苦手なようだなど、気になることがあれば気兼ねなく聞きましょう。

こちらから不安を伝えることで、「実は学校でも…」となる場合もありますし、反対に「学校ではできていますよ!」と言ってもらえることもあります。学校で頑張れているなら、家では見守っていこうという気持ちになれますよね。学校でも困る場面が多いのであれば、先生と連携を取って対策していきましょう。

小学校の個人面談/個人懇談:質問のポイント

無理に質問を考えていく必要はありませんが、気になることがあるならこの機会に質問したいですよね。優先順位をつけつつ、内容をまとめてから面談へいくようにしましょう。

気になっていることがないか、子ども自身に聞いておく

まずは、学校生活を送っている子ども自身に、気になることがないか確認しておきましょう。「今度先生とお話する時間があるんだけど、聞きたいことや伝えたいことある?」と聞いてみて、本人の気持ちを確認します。

わたしの子どもは給食が苦手なので「給食をどれくらいまで減らしていいか分からない」と言っていました。減らす量は半分までなのか、一口食べればいいのか、一口も食べなくてもOKなのか、先生によってルールが違うようです。このように、「直接聞けばいいんだけどちょっと聞きづらい」ような小さなモヤモヤが解消できるといいですね。

特に気になっていることから質問する

例えば「朝学校に行きたがらない」「学校でよく物をなくしてくる」など、特に気になることや心配なことがある場合は、単刀直入に聞きましょう。個人面談では先生の話を聞きながらになるので、なかなか言い出すタイミングが見つけられなかったりするかもしれませんが、後回しにして時間がなくなってしまうのはもったいないです。

面談の最初で「相談したいことがあるのですが」「気になっていることがあるのですが」と伝えておくと安心ですね。またこのとき、うまく質問できるか不安な場合はメモを準備しておくのがおすすめです。

この機会に小さな疑問を解消するのも〇

特に大きな心配ごとがない場合は、この機会に小さな疑問を解消するのも良いでしょう。連絡帳に書くほどでもないけれど「これってどうなの?」と感じること、ありますよね。宿題の確認はどこまでするか、漢字の書き取りはどの程度ていねいな字で書く必要があるのか、雨の日は長靴で登校していいのかなど、学校と家のやり方をすり合わせるいい機会でもあります。分からないことがあれば積極的に質問してください。

子どものいいところ、頑張っているところも伝える

わたし自身もそうなのですが、先生に子どものいいところを褒めてもらうとつい謙遜に走ってしまいます。「いえいえ、家ではゲームばっかりなんです」「字が汚くて困っています」「持ち物の準備が下手なんです」と、子どもの短所を挙げてしまいがちに。

日本の文化として謙遜してしまうのは仕方のないことなのかもしれませんが、それと同時に家で頑張っていることや、こんないいところがある!というのも伝えていきたいですね。先生に子どものいいところを知ってもらえると、子どもに対していいイメージをもって接してもらうことにもつながるので、ぜひ先生の前で子どもを褒めてください。


まとめ

  • 基本的には先生が話を進めてくれる
  • 質問がないか事前に確認しておく
  • 子どものいいところや頑張っているところも伝える

以上、小学校の個人面談(個人懇談)について解説しました。

中学や高校と違って、成績に関して深堀されることはあまりありません。どちらかというと、学校生活をどう過ごしているのか、楽しめているのか、困ったことはないかなどを確認する機会です。あまり身構えず、先生と気軽にお話してみてくださいね。

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金島ちぐさ

元教員

国立大学の学校教育学部にて、小学校教員と中高音楽教員の免許を取得。卒業後は小学校の正教員として勤務。結婚を機に退職し、現在は小学生2人を育てながら教育・子育てに関する情報を発信している。

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