雨の日の登下校は危険が増える?子どもに教えたい安全ポイント

雨の日の登下校は、「ちゃんと歩けているかな」「横断歩道、大丈夫かな」と不安になる保護者も多いのではないでしょうか。 

雨の日の登下校は、普段と同じ通学路でも危険が増えやすくなります。
傘で視界が狭くなる、滑りやすくなる、車から子どもが見えにくくなる。特に小学生は危険を予測する力がまだ十分ではなく、大人が思っている以上に事故やトラブルが起きやすい環境になります。

実際に学校現場でも、雨の日は転倒や飛び出し、友達同士のふざけ合いによるヒヤリとする場面が少なくありません。だからこそ、雨の日特有の危険を知り、家庭でも安全について話しておくことが大切です。

この記事では、雨の日の登下校で危険が増える理由や、子どもへ教えておきたい安全ポイントをわかりやすく解説します。

監修者:元教員 金島ちぐさ

雨の日の登下校で危険が増える理由 

警視庁の「子供の交通人身事故発生状況」でも、子どもの交通事故は6〜7月に多く発生していることが示されています。新生活に慣れて行動範囲が広がる時期であることに加え、梅雨による視界不良や滑りやすい路面環境も影響していると考えられます。 

傘で視界と音が遮られる 

雨の日は傘を差して歩くため、普段よりも周囲が見えにくくなります。特に小学生は傘を低く持ちがちで、前方や左右の確認が不十分になりやすい傾向があります。

また、雨の音や傘に当たる音によって、後ろから来る車や自転車に気づきにくくなることもあります。友達と話しながら歩いていると、さらに注意力が下がり、危険を見落としやすくなります。

雨の日は車から子どもが見えにくい 

危険なのは子ども側だけではありません。運転手からも、雨の日の子どもは見えにくくなります。

雨でフロントガラスの視界が悪くなり、ワイパーを動かしていても歩行者を見落としてしまうことがあります。さらに、傘や駐車中の車に子どもの姿が隠れてしまうことも少なくありません。

特に低学年の子どもは身長が低いため、ドライバーから発見が遅れるケースもあります。

滑りやすい道や水たまりにも注意 

雨の日は道路も滑りやすくなります。マンホールや白線の上は特に滑りやすく、急いで走ることで転倒につながることがあります。

また、水たまりを避けようとして車道側にはみ出してしまう子もいます。「少しだけだから」と思っていても、そこに車や自転車が来れば大きな事故につながりかねません。

雨の日に子どもへ教えたい安全ポイント

傘を差していても「止まって確認」を徹底する

まず家庭で教えたいのが、「雨の日ほど止まって確認する」ということです。

子どもは「見えているつもり」になりやすいため、傘で視界が狭くなることを前提に、「横断前は一度止まる」「傘を少し上げて左右を見る」ことを習慣にしておくことが大切です。

特に急いでいる朝や、下校時間に友達と話しながら歩いているときほど、確認を忘れやすくなります。

荷物・傘の持ち方を見直す

雨の日は、ランドセルに加えて傘も持つため、バランスを崩しやすくなります。

大きすぎる傘は視界を遮り、小さすぎる傘は濡れないよう前かがみになりやすくなります。子どもの体格に合った傘を選び、壊れていないか定期的に確認しておくと安心です。

また、荷物が多い日は片手がふさがりやすくなるため、「走らない」「ふざけない」ことも改めて伝えておきましょう。

通学路の“雨の日危険ポイント”を確認しておく

普段は安全に見える通学路でも、雨の日だけ危険になる場所があります。

例えば、
・滑りやすい坂道
・水たまりができやすい場所
・車通りが多い細い道
・ガードレールがない道路

などは注意が必要です。

低学年のうちは、実際に保護者と一緒に歩きながら、「ここは滑りやすいね」「ここは車が近いね」と確認しておくと、子どもの危険を予測する力にもつながります。

雨の日に起きやすい子どものトラブル

友達とのふざけ合いによる事故

特に下校時は、友達と一緒で気持ちが楽しくなりやすく、「少しだけ」のつもりでふざけてしまうことがあります。しかし、濡れた道路は普段より滑りやすくなっているため、軽いふざけ合いでも転倒や接触事故につながる危険があります。実際に、「傘を振り回していて友だちの目に当たった」「前を歩いていた友だちが立ち止まったことに気付かず、ぶつかって転ばせてしまった」といった、子ども同士のトラブルやケガも起きています。 

また、傘が視界を遮っていることで、周囲の車や自転車に気づきにくくなっている場合もあります。ふざけながら急に走り出したり、車道側へはみ出したりすると、大きな事故につながる可能性もあります。

雨の日は「遊ばない」「走らない」「傘を振り回さない」といったルールを、家庭でも改めて確認しておくことが大切です。

濡れたくない気持ちから危険行動につながる

「早く帰りたい」「濡れたくない」という気持ちから、走ったり、近道をしたりする子も少なくありません。

しかし、急いでいるときほど周囲への注意が下がり、飛び出しや転倒が起きやすくなります。

また、水たまりを避けようとして車道側にはみ出したり、屋根のある場所へ急に移動したりする行動も、事故につながることがあります。 

視界不良による防犯リスク

雨の日は、傘やフードによって周囲が見えにくくなり、防犯面でも注意が必要です。

また、「早く帰りたい」「濡れたくない」という気持ちが強くなることで、普段より周囲への注意が下がりやすくなります。その結果、人通りの少ない道に入ってしまったり、不審な人や車への警戒が弱くなってしまうこともあります。

特に低学年の子どもは、危険を予測することがまだ難しいため、「いつもと違う状況の日ほど気をつける」という意識を家庭でも繰り返し伝えていくことが大切です。

家庭でできる雨の日の安全対策

前日に雨具を一緒に確認する

傘が壊れていないか、長靴のサイズは合っているか、レインコートは着やすいかなど、前日に確認しておくだけでも安心感は変わります。

特に子どもの傘は、骨が曲がっていたり、開きづらくなっていたりしても、そのまま使い続けていることがあります。雨の日の朝に慌てないためにも、事前に親子で確認しておくことが大切です。

また、替えの靴下や小さなタオルを持たせるだけでも、子どもの負担を減らすことができます。ランドセルや傘に反射材が付いているか確認しておくと、薄暗い時間帯や雨の日でも車から見えやすくなり、交通安全にもつながります。

「雨の日ルール」を決めておく

雨の日は、家庭でルールを決めておくことも大切です。

・走らない
・寄り道をしない
・危ないと思ったら近くの大人に助けを求める
・雷が鳴ったら安全な場所へ移動する

こうした具体的な約束が、子どもの安全につながります。

実際に通学路を歩いて確認する

特に低学年のうちは、保護者と一緒に通学路を歩くこともおすすめです。

普段は安全に見える道でも、雨の日になると水たまりができたり、車との距離が近く感じたりする場所があります。また、傘を差すことで見えにくくなる場所や、滑りやすい坂道など、実際に歩いてみないと気づきにくい危険も少なくありません。

「雨の日はここが危ないね」「この場所は車が見えにくいね」と具体的に話しながら歩くことで、子どもも危険をイメージしやすくなります。

まとめ

・雨の日は、傘によって視界や音が遮られやすい

・梅雨時期の6〜7月は、子どもの交通事故が増える傾向がある

・家庭で具体的なルールや危険ポイントを確認しておくことが大切 

雨の日の登下校は、普段と同じ通学路でも危険が増えやすくなります。特に小学生は、「見えているつもり」「大丈夫なつもり」で行動してしまうことも多く、大人が思っている以上に事故やトラブルにつながりやすい環境です。

だからこそ大切なのは、「気をつけてね」と声をかけるだけではなく、雨の日特有の危険を具体的に伝え、一緒に通学路を確認しておくことです。

毎日の登下校だからこそ、小さな準備や家庭での声かけが、子どもの安全を守る大きな力になっていきます。

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金島ちぐさ

元教員

国立大学の学校教育学部にて、小学校教員と中高音楽教員の免許を取得。卒業後は小学校の正教員として勤務。結婚を機に退職し、現在は小学生2人を育てながら教育・子育てに関する情報を発信している。

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