
小学生の放課後の過ごし方。どんなことに気を付ける?
放課後は、友だちと学校外で好きな遊びができる楽しい時間。特に春、夏は日が延びてきますので、冬場よりも長時間遊ぶことができます。
そうなると気になるのが、子どもの安全やトラブル面。今回は、小学生の放課後の過ごし方で気を付けたいポイントについて考えます。
執筆 元教員 金島ちぐさ
目次
小学生は放課後どう過ごす?

まずは、小学生がどんなふうに放課後を過ごしているのか見ていきましょう。
学童保育を利用する
保護者が仕事等で家を空けている場合は、学童保育を利用する子どもが多くなります。学童保育は学校の管理下ではないので、各自治体の窓口に申し込みましょう。定員に余裕があれば年度途中からの利用も可能ですし、地域によっては民間の学童もありますので、併せてチェックしてみてください。
習い事へ行く
平日の放課後の時間を使って習い事へ行く子どもも多くいます。運動系(サッカー、水泳、野球)、文化系(ピアノ、習字、絵画)、学習系(英会話、塾、そろばん)など、その種類はさまざまです。運動系は週に2~3回練習があったり、学習系は毎日の復習や課題があることも。トータルで必要になる時間は習い事によって異なってきます。子どもの興味やライフスタイルに合わせて選びましょう。
友だちと公園で遊ぶ
夕方に公園へ行くと、よく小学生が集まって遊んでいます。友だち同士で約束して集まり、公園や学校で遊ぶのは、今も昔も変わらぬ定番です。ただ今は、ボール遊び禁止の公園があったり、遊具ではなくゲーム機で遊んだりと、昔とは異なる点も。公園ごとのルールを守って遊ぶようにしたいですね。
友だちの家で遊ぶ
公園と同じように、友だちの家で遊ぶパターンも定番です。特に近年は夏が毎年猛暑になるので、公園で遊ぶと熱中症の危険があり、誰かの家で遊ぶ方が安心感はありますよね。ただ、1人の家に毎日行っていたり、反対に自宅が子どものたまり場のようになってしまったりと、トラブルにつながりやすい一面もあります。
自宅で過ごす
放課後も何か活動をしなければいけないわけではないので、自宅でゆっくり過ごすのももちろんいいですね。我が家では、小6の娘は自宅で本を読んだりピアノを弾いたりして過ごすタイプ、小3の息子はすぐに公園へ遊びに行くタイプです。子どもの性格的に、友だちとワイワイするのが好きかどうかにもよると思います。子どもに合った過ごし方で、バランスよく放課後の時間を使えるといいですね。
小学生の放課後の過ごし方で気を付けたいこと

特に公園へ遊びに行ったり、友だちの家へお邪魔するような過ごし方をするケースにおいて、気を付けたいことを解説します。
宿題に取り組んでいるか確認する
まずは、宿題ができているかどうかは確認しておきたいですね。学童へ行っている間は学童で宿題する習慣がつくと思いますが、高学年になるにつれて学童を辞め、いわゆる「鍵っ子」になる子どもも増えていきます。家に帰ってすぐ遊びに出るようになると、そのまま宿題がおざなりになってしまう可能性も…。「宿題をしてから遊びに行く」「夕食後に宿題をする」など、各家庭でルールを作ってきちんと取り組めるようにしましょう。
外出時は水分補給をじゅうぶんに
出かける場合は必ず水筒を持って行くようにしましょう。遊びに夢中になるとつい水分補給を忘れがちです。特に夏場は熱中症のリスクが高まるため、こまめに水分をとるように日頃からの習慣作りが大切です。また、自転車で出かけるならヘルメット、外で遊ぶなら帽子も必需品。熱中症だけでなく安全的な面からも、子どもが自分自身を守れるように教えていきたいですね。
友だちの家へ訪問するときのマナーを教える
友だちの家に遊びに行く際は、基本的なマナーを守ることが大切です。例えば、「おじゃまします」「おじゃましました」のあいさつ、玄関の靴をそろえる、棚や冷蔵庫を勝手に開けない、案内された部屋以外へは行かないなど。当たり前のようで意外と守れていないことはありませんか?お友だちの家へ訪問するときのマナーは、定期的に確認しておきたいですね。
また、本当はダメだと分かっているのに「○○くんがやっていたから」と便乗してやってしまう危険もあります。お家の人の迷惑にならないよう、家庭でのルールをしっかり共有しておきましょう。
お金や物のやり取りに注意する
放課後に起こるトラブルで要注意なのが、お金のやり取り。我が家は公園で遊ぶ場合におやつを持たせることがありますが、お金を持ってきて買い食いするタイプのお友だちと軽いトラブルになったことがあります。保護者同士が知り合いで連絡を取り合えればルールを決めれるのですが、そうでないときも多々ありますよね。「お菓子をあげるのはいいけどもらうのはだめ」というのも不自然ですし、子ども同士の関係性もあるので、本当に難しい問題だと思います。少なくとも、お金の貸し借りをしないという最低限のルールは守るようにしましょう。
また同じように、ゲームの貸し借りやカードゲームの交換、文房具の交換等もトラブルの元。わたしは、トラブルを通して子ども自身が学んでいくことも大切なのかなという考えなのですが、ゲームのように金額の大きなものはさすがにNG。このあたりは子どもの年齢や家庭の方針にもよるので、家族全員で話し合うのがいいかもしれません。
子どもの居場所や安全が分かるようにしておくと安心
子どもがどこで遊んでいるかを把握することも安心のポイントです。例えば、「A公園へ行く」と言って出かけても、そこからB公園へ移動したり、誰かの家へ行ったりするケースがあります。「A公園へ行くと言ったらA公園以外はダメ」というルールにしてもいいのですが、そうなると我が子だけ置いてけぼりになる…?と、それはそれで心配になってしまうんですよね。これも難しい問題だと思います。
見守りGPSやスマートウォッチなど、子どもの現在地を把握できるデバイスを活用するのも良い方法です。現在開発中で、2026年春に商品化予定の「SASENAI」は、子ども自身が気づきにくい危険をAIが自動で判断し、警報を鳴らしたり、保護者への通知や通報などの防犯アクションを実行します。放課後の活動量が多い子どもには、こういったものを持たせるのもおすすめの方法です。
まとめ
・放課後は、学童・習い事・公園・自宅など子どもに合った過ごし方を見つける
・放課後のルールやマナーについて親子で確認する
・子どもの居場所を把握し、安全に過ごせるようにサポートする
放課後の過ごし方は家庭や子どもによってさまざまですが、まずは安全に過ごすことが一番ですよね。犯罪に巻き込まれないことを大前提に、金銭トラブルや健康面にも注意しながら楽しい放課後を過ごしましょう。

金島ちぐさ
元教員
国立大学の学校教育学部にて、小学校教員と中高音楽教員の免許を取得。卒業後は小学校の正教員として勤務。結婚を機に退職し、現在は小学生2人を育てながら教育・子育てに関する情報を発信している。