新学期こそ揃えたい!元刑事ママが本当に役立つ防犯グッズを解説

新学期は、子どもにとってワクワクする時期ですが、同時に犯罪に巻き込まれやすい時期でもあります。進級やクラス替えで気が緩みがちになるこのタイミングで、改めて防犯対策を見直しませんか?

4月から子どもたちは新しい環境に置かれます。進級やクラス替えなど、友人関係が変わったり、通学路や活動範囲が広がったりと、様々な変化が起こるタイミングなのです。子どもたちにとって不安を感じやすい時期でもあります。

子どもの安全を守ることは、私たち親にとって子どもが生まれてから常に考えていることだと思いますが、身近に潜む危険から子どもを守るためにできることから実践していきましょう。

執筆 元警察官 安井かなえ

小・中学生を狙った犯罪の現状と特徴

まずは、小中学生を狙った犯罪について現状と特徴をみていきましょう。

残念ながら、いまでも子どもを狙った犯罪は後を絶ちません。子どもが被害に遭う犯罪は、通学路や住宅街など、日常的に通る場所でもたくさん発生しています。特に、下校時や塾の帰り道、公園やスーパーの駐車場なども犯罪発生場所になりうるのです。

2024年12月、北九州市で営業中のファストフード店で中学生が被害に遭った事件は記憶に新しいと思います。犯人は被害者とは面識がなく「目が合ってばかにされたと思って刺した」という供述をしています。もし自分たちがこのような状況や目撃者になったとき、どのように行動するのがベストなのでしょうか。

我が家では、子どもに「犯人の姿をスマホで撮影するのではなく、まずはその場から逃げることを最優先に考えて」と伝えました。みなさんも身を守ることを第一に考えてほしいと思います。

犯罪の手口は年々巧妙化しており、動機も想像をはるかに超えるものだったりします。

従来の不審者による声かけや誘拐だけでなく、SNSなどを利用した新しい種類の犯罪も増えてきています。SNSのダイレクトメッセージ機能などを使って子どもにアプローチし、個人情報を詐取したり、自宅に呼び出したりする事例も報告されています。知らないうちに我が子が闇バイトに加担していたなんてこともありうるのです。

いつどこで犯罪に巻き込まれても、とっさに対応できるよう日頃からお子さんと話し合い、シミュレーションしておくことをおすすめします。

元刑事ママが厳選!新学期に揃えたい防犯・安全グッズ5選(小学生編)

防犯グッズは「危険を感じてから使うもの」ではなく、「危険を未然に防ぐために使うもの」という意識を持ってほしいと思います。子どもが危険を感じたときには、すでに状況が深刻化している可能性も。あくまで防犯グッズは「危険を遠ざける」「早めに助けを求める」ために活用することが大切です。

子どもには「怖くなったら使う」ではなく、「何かおかしいと思ったらすぐに使う」ように伝え、日頃から使い慣れておくことをおすすめします。

1.ランドセルに取り付けられる防犯ブザー

防犯グッズの定番といえば防犯ブザーですね。登下校時のいざというときにすぐに使えるよう、ランドセルや通学カバンにつけましょう。習い事用のカバンにつけることも忘れずに。選ぶポイントをみてみましょう。怖いと感じた時ではなく、「何かおかしいな?」と思った時点で鳴らしても良いのです。

すでに防犯ブザーを持っている人は、この機会に電池の交換や動作確認をして使えるかどうか確かめてみてくださいね。

おすすめの防犯ブザーとは?

  • 音量は90dB以上:90dBは犬の鳴き声やカラオケ店内や地下鉄の車内ほどの音量で、人間が不快に思うレベルです。(音量の参考https://www.skklab.com/standard_value)
  • LEDライト付き:暗い場所でも子どもの居場所が分かりやすく、交通事故防止にもなります。
  • ワンプッシュで作動:緊急時にシンプルな動作で使えるものがおすすめです。
  • 防滴機能:雨の日でも、レインコートに隠れずに使えます。
  • 見せる防犯:オシャレで目立たない防犯ブザーよりも、目立つ色がおすすめです。防犯対策をしていると不審者にアピールできます。

2.GPS機能付きキッズ携帯

最新のキッズ携帯の多くはGPS機能がついています。月額費用はかかりますが、通話機能があれば子どもと連絡を取れるので安心ですね。行動範囲内は電波が届くのかも事前に確認をしましょう。都心部でも地下や建物内などは圏外になる可能性も。

おすすめは防犯ブザーが内蔵されているタイプで、緊急時に本体から大音量のアラームを鳴らせます。毎日お出かけ前にバッテリー残量の確認も忘れずに。

3.ホイッスル

防犯用ホイッスルは電池不要で使えるので、防犯ブザーの予備としておすすめです。

小さなお子さんでも吹きやすいタイプを選びましょう。防犯ホイッスルは少し吹いただけでも大きな音が出るのが特徴です。自治体によっては入学時に配布されるところもあるようです。おしゃれなデザインのものもあり、キーホルダーとして複数のカバンなどに付けてもよいでしょう。

低学年のうちは、おもちゃとして吹きながら登下校する姿をよく見かけます。慣れることはよいことですが、ホイッスルはいざというときに使うものであるということをしっかり伝えてあげましょう。

4.防犯アプリ

防犯アプリは無料のものでも十分機能が充実しています。スマホにインストールするだけで、さまざまな機能が備わっています。緊急通報ボタンを押すと、プリセット(あらかじめ設定)された連絡先に位置情報が送信され、すぐに保護者に助けを求められます。また、不審者の目撃情報をSNS上で共有できるため、身近な人にも注意を呼びかけられます。

たとえば、警視庁が提供している防犯アプリ「デジポリス」は防犯機能がとても充実しています。

また、現在開発が進められているSASENAI(サセナイ)は、子どもたちの登下校中の安全を守るAIを活用した防犯アプリです。このアプリは、映像・音声・GPSデータを活用し、AIが危険を察知して警報や通報を自動で実行。被害の未然防止や証拠の記録により、二次被害を軽減し、犯罪の未報告件数を減らすことを目指しています。

SASENAI(サセナイ)の最新情報や、実際に役立つ安全対策を知りたい方はぜひチェックしてみてください。

5.反射材

反射材は特に夕方や夜間、また雨の日など視界が悪い状況では、ドライバーから歩行者が見えにくくなります。

警視庁によると、車から歩行者を見るとき時速60キロメートルの場合、反射材をつけていれば約57メートル以上先からでも視認できると言われています。事故のリスクを大幅に減らせます。

100円ショップでもクオリティの高い反射材が販売され、ランドセルや靴、傘などに簡単に取り付けられるタイプもあり、手軽に購入できます。

かわいいデザインのものも多く、子どもが楽しみながら使えるのも魅力です。交通事故を防ぐために、ぜひお子さんに反射材を持たせましょう。

子どもの安全を守るために、親ができることは?

防犯グッズを紹介しましたが、残念ながら防犯グッズを用意するだけでは完全に防犯できているわけではありません。

まずは、子どもに防犯ブザーや緊急アプリの使い方を教えて、定期的に一緒に練習してください。そして、何かあったときの連絡先や避難場所もしっかりと確認しておきましょう。

普段の子どもの行動範囲や時間帯を把握し、危険な場所や状況を想定しながら、具体的な対処法を伝えましょう。

例えば「塾の帰りは暗い公園を通らない」「知らない人に声をかけられたら無視する」など、子どもにも理解しやすい方法を一緒に考えましょう。

1.通学路の安全確認

学校への通学路を定期的に親子で歩いて、人が少ない、暗い場所などの危険個所を確認し、別の安全な道を見つけましょう。季節や時間によって道路状況が変わるので、一緒に確認しましょう。

2.地域と連携

地域の防犯パトロールなどに積極的に参加しましょう。子連れで参加できるところも多く、子どもにも地域の安全活動を身近に感じてもらえます。学校とも連携して、犯罪防止対策を話し合っておくと良いでしょう。

3.家族で取り組む

子どもの安全は、家族みんなで取り組んでほしいと思います。携帯電話を渡すときは、なぜ必要なのか、親が子どもを常に気にかけていると伝えましょう。家族の絆を深めることが、子どもの最大のセキュリティになるのです。

まとめ

子どもの安全は、私たち大人の意識と行動で守られています。防犯グッズを上手に活用し、子どもたち自身にも危険を避ける力をつけてあげるのが大切です。

新学期は、子どもたちにとって新しいスタートの時期。今こそ、しっかりした防犯対策を立てましょう。防犯グッズの準備はもちろん、子どもたちへの教育や地域の人たちと協力するなど、大人ができることを実践していきましょう。子どもたちを事件や事故から守る助けになると思います。

子どもたちの安全と幸せを第一に考え、一緒に頑張りましょう。

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安井かなえ

元警察官

小学生と幼稚園児までの3人の子どもの肝っ玉母ちゃん。警察庁外国語技能検定北京語上級を持つ。 交番勤務時代に少年の補導や保護者指導を経験後、刑事課の初動捜査班で事件現場に駆けつける刑事を経て、外事課では語学を活かし外国人への取り調べや犯罪捜査などを行う。 現在は、防犯セミナー講師として企業や市民向けに活動中。 好きな音楽はGLAY。

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