
入学準備として少しずつ取り組みたい、ひらがな練習のステップとポイント
もうすぐ小学校入学。ひらがなの読み書きについて、「今のうちに練習しておいたほうがいいのかな?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
ひらがなは入学してから学びますので、必ずしも入学前から取り組む必要はありません。ただ、子どもが文字に興味をもち始めているなら、ひらがな練習を始めるチャンスです。
今回は、入学準備として無理なく取り組める、ひらがな練習のステップとポイントについて解説します。
執筆 元教員 金島ちぐさ
目次
ひらがな練習のステップ

ひらがな練習といっても、いきなりえんぴつを持って「さあ、字を書こう!」というわけにはいきません。文字に興味をもち始めたら、まずは読むことから練習していきましょう。
ステップ0:文字に興味をもつまで待つ
文字に興味をもつタイミングは子どもによってさまざまです。3歳頃から自然と興味をもって読み始める子もいれば、5歳になっても特に興味を示さない子もいます。
小学校入学を目前に控えると、親としては焦ってしまうかもしれませんが、興味のないことを強いられると苦痛に感じてしまう可能性があります。「興味がない」が「キライ」になってしまわないように、落ち着いて見守ることが大切です。
とはいえ、子どもが自然とひらがなに触れられる環境を整えることはできます。絵かるたで遊ぶ、ひらがなポスターを貼る、動物園や遊園地へ出かけた際に案内板を一緒に読むなど、「ひらがなが目に入る機会」を意識して設けてみましょう。
ステップ1:まずは「読み」から
ひらがな練習は、書くことよりも先に読むことから始めるのがおすすめです。「これはなんて読むの?」「うさぎってどう書くの?」など、ひらがなに興味をもつようになったら、まずは読むことにチャレンジします。
このとき、「あ」「い」と一文字一文字読むのではなく、「あり」「いちご」のように単語として読むのがおすすめです。好きな食べ物や乗り物、お気に入りの絵本にでてくる言葉などを使い、興味をもって取り組めるようにしましょう。
ステップ2:お絵かきで筆圧をつける
ステップ1と並行して、えんぴつを持つ練習も始めていきましょう。えんぴつはクレヨンよりも細く、しっかりとした濃い字を書くのは難しいものです。えんぴつや色えんぴつを使って絵を描いたりぬり絵をしたりすることで、自然と筆圧をつけていきましょう。
手の力が弱い幼児は、いわゆる「握り持ち」になってしまうことがあります。持ち方の癖は、定着してしまうと直すのがなかなか大変なので、できれば正しい持ち方でスタートしたいもの。幼児向けに小さな手でも握りやすい三角の形になった鉛筆を使うのもおすすめです。隣で一緒に描くなどして、正しい持ち方も同時に身に付けることができるといいですね。
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ステップ3:「なぞり書き」に挑戦
えんぴつを持つことに慣れ、ひらがながある程度読めるようになったら、書くことに挑戦しましょう。まずは、薄く書かれた字を上からなぞる「なぞり書き」です。「り」「く」「こ」などの線が重ならないひらがなから始め、「た」「は」のように線の重なりがひとつのひらがなに進みます。「あ」「を」「め」などは線の重なりが多く難しいひらがなですので、最後の方に取り組むのがおすすめです。
もしなぞり書きがうまくいかなかったら、運筆練習に取り組んでみましょう。直線やなみ線、じぐざぐ線など、思った通りに手を動かす練習をします。簡単な迷路に取り組むのもいいですね。
ステップ4:「写し書き」にステップアップ
なぞり書きができたら、写し書きへステップアップです。お手本を見ながら、何も書かれていないマス目に自分でひらがなを書き写します。マス目は、四角の中に十字の補助線が引かれているもの(ひとマスが4つの部屋に分かれているもの)が一般的。どこから書き始め、どの部屋を通るのかを意識しながら書くことで、文字のバランスが取りやすくなります。
写し書きが苦手な場合は、線の書き始めに目印となる点を打ったり、半分まではなぞり書きにしたりすることで、難しさが抑えられますよ。
その先は…自分でひらがなが書けるように◎
ひらがなの形を完全に覚えることができたら、お手本がなくても自由にひらがなが書けるようになります。家族や友だちにお手紙を書くのも、ひらがな練習にぴったりですね。
このときにぜひ大切にしたいのが、「誰かに読んでもらいたい」という気持ち。書いた字を読んでもらいたい、自分の気持ちを伝えたい、という意識があると、字をていねいに書こうとします。自分なりにていねいな字を書くことが、ひらがな上達へのポイントにもなります。
ひらがな練習のポイント

ここからは、ひらがな練習を進めるうえで大切にしたいポイントをお伝えします。無理なく楽しく取り組めるように、ポジティブなサポートを心がけましょう。
子どものペースに寄り添う
冒頭でもお伝えしましたが、ひらがなに興味をもっていない子どもに「これ読もう!」「これ書こう!」と言っても、なかなか進まないと思います。場合によっては、「めんどくさい」「いやだ」というネガティブなイメージにつながってしまうことも。子どもがひらがなに興味をもつ環境づくりをしながら、焦らず気長に待ちましょう。
また、ひらがな練習に取り組む時間や分量にも注意が必要です。「1日1枚」ときっちり決めるより、その日楽しく取り組める分だけにしておくのがおすすめ。短い時間でも「今日もできた」という積み重ねが、長く続けるコツになります。
書きやすいえんぴつを用意する
筆圧がまだ弱い子どもには、握りやすく、すべりにくいえんぴつを用意しましょう。えんぴつの形は、一般的な六角形よりも、三角形のものがおすすめです。三角形のえんぴつにすることで、親指、人差し指、中指の位置が分かりやすく、正しい持ち方が身に付きます。また、濃さは6Bか、少なくとも4B以上が目安。筆圧が弱くてもしっかりと書けるよう、芯の柔らかいものを使ってくださいね。
ポジティブな声掛けをする
どんな練習でも、始めたばかりの頃はうまくいかないものです。「ここがはみ出ちゃったね」「その書き順違うよ」と、できない部分への声かけが多いと、ネガティブなイメージにつながってしまいます。まずは、「えんぴつを正しく持てたね」「濃く力強い字が書けたね」と、できたことに注目してポジティブな声かけをしましょう。そのうえで、「次はもう少し大きく書けるかな?」といったように、次に取り組むときのポイントを伝えれば、子どもの成長にもつながります。
頑張りを可視化する
ひらがな練習をした日はカレンダーにシールを貼ったり、できたプリントにシールを貼ったりと、その日の頑張りを可視化すると子どものやる気アップにつながります。100円ショップにもいろんな種類のご褒美シールが売られていますので、子どもと一緒に選ぶといいですね。
また、上手に書けなかった字を赤で直すのではなく、上手に書けた字に花丸をつける方法をおすすめしたいです。取り組みを見返したときに、できなかったことに目が向くのではなく、できたことに目が向くようにしたいですね。
パズルやカードゲームを取り入れる
机に向かって練習するばかりではなかなか集中力が続かないかもしれません。そんなときは、ひらがなを使ったパズルやカードゲームを取り入れるのがおすすめ。ゲーム感覚であれば、なかなか文字に興味をもたない子どもも積極的に取り組めます。最近は、タブレット端末を使用して取り組むひらがなアプリも多くありますので、うまく活用していきたいですね。
まとめ
・文字に興味をもったら、ひらがな練習を始めるタイミング
・子どものペースに寄り添って少しずつ
・ポジティブな声かけで、楽しく取り組もう
ひらがなの読み書きについて、「入学までにできるようにならないと!」と焦る気持ちがあるかもしれませんが、まずは子どもの興味をひき出すことが大切です。楽しく前向きに取り組めるような雰囲気作りを意識しながら、親子でひらがな練習を進めていってくださいね。
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金島ちぐさ
元教員
国立大学の学校教育学部にて、小学校教員と中高音楽教員の免許を取得。卒業後は小学校の正教員として勤務。結婚を機に退職し、現在は小学生2人を育てながら教育・子育てに関する情報を発信している。