【入学準備】小学校入学までに親子で話し合いたい！安全対策について

小学校入学に向けて、持ち物や生活面の準備を進めていることと思います。今回はその中でも、入学準備で必ず押さえておきたい「安全対策」に注目します。

常に保護者が送迎を行う幼稚園、保育園と異なり、小学校からは自分で登下校します。また、放課後に友だち同士で遊ぶ機会も出てくるので、このタイミングで安全対策への意識を高めておきましょう。

執筆　元教員　金島ちぐさ

1 犯罪に巻き込まれないための＜いかのおすし＞
2 登下校時に確認したい安全対策ポイント
3 放課後に確認したい安全対策ポイント
4 まとめ

犯罪に巻き込まれないための＜いかのおすし＞

＜いかのおすし＞という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、子どもを犯罪から守るための防犯標語で、小学校入学前にぜひ親子で確認しておきたい大切なポイントです。

・「いか」…ついて「いか」ない

・「の」…くるまに「の」らない

・「お」…「お」おごえをだす

・「す」…すぐにげる

・「し」…おとなのひとに「し」らせる

（警視庁「おやこでまなぼう！「いかのおすし」で毎日安全！」）

「知らない人にはついていかない」「知らない人の車に乗らない」というルールは一見シンプルですが、実際にはとても難しいことです。加害者は子どもの不安や良心、好奇心を巧みに利用して近づいてくるためです。

例えば

「お母さんがケガをして病院に運ばれたから、連れて行ってあげる」

「迷子になって困っているから、駅まで道案内してほしい」

「君だけ特別にテレビの撮影に出してあげるよ」など

子どもの不安や良心、好奇心を刺激する言葉を巧みに使って誘ってきます。「こう言われたらどうする？」というシミュレーションも交えながら、どんな理由があっても知らない人にはついていかないように説明しましょう。

ただし、危険なのは“知らない人”だけではありません。加害の多くは、子どもが信頼しやすい立場の大人や、日常的に接している相手によって起きています。

だからこそ、「誰が言ったか」ではなく「どんな行為が起きたか」で判断できるようにしておく必要があります。

たとえば、
・子どものプライベートゾーンを触る／見ようとする
・しつこく2人きりの状況を作ろうとする
・秘密にしようと言って、身体に触れたり写真を撮ろうとする
こうした“行為”は、相手が親しい人であっても絶対に許されないことだと明確に伝えましょう。

また、少しでも「嫌だ」「変だ」と感じたら話を聞かずにその場を離れる、大人にすぐ知らせることは身を守るうえでとても大切なスキルです。

“知らない人＝危険”という単純な構図ではなく、
「危険な行為をされたときに、自分の感覚でNOと言って逃げていい」というメッセージを伝えることで、子どもを守る力につながります。

登下校時に確認したい安全対策ポイント

ここからは、登下校時に特に確認したい安全対策ポイントについて解説します。子どもが安全に登下校できるよう、学校や家庭でのルールを守るようにしましょう。

まずは通学路の確認をしよう

毎日決められた通学路を通って登下校することは、基本的かつ大切な決まりです。わたし自身の肌感では、「○○ちゃん/くんと一緒に帰りたいから」という理由で、通学路ではないルートを通って下校してくる子どもも少なくありません。通学路を守らないと、いざ子どもの帰宅が遅いと感じたときに“どの道を探せば良いか” が分からず、とても危険です。親も子どもも困ることになってしまうので、通学路を確認したら、毎日必ず通学路を守って帰宅するように約束する必要があります。

通学路の安全見守り活動について知ろう

大きな交差点や信号のない横断歩道など、通学路の危険ポイントには、地域の見守りボランティアさんが立ってくださっていることが多いです。交通安全指導員、学校支援ボランティア、町内会やPTAなど、地域によってさまざまな方が子どもの安全を見守ってくださいます。

登下校時にお見かけすることになりますので、「元気に挨拶をする」「ありがとうの気持ちを伝える」といったコミュニケーションも教えておくとよいですね

「子ども110番の家」について知ろう

通学路に関してもうひとつ、「子ども110番の家」についての知識も確認しましょう。通学路に面した家や商店などの中には、警察署から「子ども110番の家」の活動を委嘱されている場所があります。「困ったらここに助けを求めていいんだよ」と教えておくことで、子どもが安心して登下校できます。「子ども110番の家」は、道路からよく見える面に看板等が貼り出されていますが、地域によってデザインが異なるため要チェックです。

防犯ブザーの使い方を学ぼう

小学校に入学すると、教育委員会やPTAから防犯ブザーの配布があります。配布されたら、使い方を確認しましょう。

・鳴らす方法

・止め方

・どこに付けるか（取り出しやすい位置）

・電池切れチェック

またみなさんは、子どもの登下校の時間帯に防犯ブザーの音が聞こえたら、外の様子を確認していますか？誤作動や誤操作で鳴っていることが多いと思いますが、かといって「また鳴ってるな」と聞き流さず、周囲の様子を確認するのも大人の役割です。わたし自身も、子どもの安全を守る側としての行動を心がけたいなと思っています。

子ども目線で言うと、万が一不審者に遭遇して助けを求めたい場合は、防犯ブザーを鳴らしながら走って逃げる、防犯ブザーと同時に「たすけて！」と叫ぶなど、’’周囲に気づいてもらうための行動”も練習しておくと安心です。

放課後に確認したい安全対策ポイント

小学生になると、子ども同士で約束をして、放課後に公園等で遊ぶ機会が出てきます。子どもだけで出かけるときに確認したい安全対策についても考えてみましょう。

自転車の乗り方について学ぼう

自転車に乗っているときの交通事故数も、決して無視できない数字です。小学生は交通ルールについて学ぶ機会がなかなかなく、気付かないうちに危険な運転をしてしまっていることも。信号を守ることやヘルメットをかぶることはもちろん、歩道がない道路では左側を走ること、一時停止を守ること、早めにライトを点灯させることなどを、繰り返し確認するようにしましょう。

（警視庁「自転車交通安全教育用リーフレット」）

ランドセル以外にも防犯ブザーを検討しよう

ランドセルには必ず防犯ブザーを付けると思いますが、放課後に遊ぶ用の鞄や、習い事用の鞄にも防犯ブザーを付けておくと安心です。登下校時は同じ学校の子どもたちと一緒に歩きますが、放課後は完全な一人行動になることも増えますよね。身の安全を守るために、防犯ブザーの携帯を検討しましょう。このとき、防犯ブザーは外からよく見える場所に付けるようにしましょう。防犯ブザーを持っていることをアピールすると、犯罪抑止力につながります。

もし自然災害が起こったら、どこに集まる？

最後に、「もし自然災害が起こったら」についても親子で話し合ってみてください。家族で一緒にいるときや学校にいるときは、その場で安全を確保する手立てがありますが、子どもたちだけで公園で遊んでいるときや登下校中や習い事へ行く道中で地震が起きたら、どうすればいいでしょうか。遊具やブロック塀から離れること、その場で丸くなり「ダンゴムシ」のポーズを取ること、鞄や上着で頭を守ることなど、自分で自分の身を守る方法について確認しましょう。

また、家族の集合場所を決めておくことも大切です。小学校や家の近くの公園など、「何かあったときはとりあえずここに集合しようね」と決めておけば、スムーズに合流することができます。