全国小学生統一テストとは?いつから、どうやって受ける?

中学受験を考えて情報収集していると、「全国小学生統一テスト」を目にすることがあると思います。これは学校で受けるテストや、塾内で受けるクラス分けテストとは異なる、全国規模の模試です。今回は、この全国小学生統一テストの概要から受験方法、メリットまでわかりやすく解説します。

執筆 元教員 金島ちぐさ

全国小学生統一テストとは?

大学受験で、駿台や河合塾、東進などが実施する全国模試があるように、中学受験を考える小学生の多くも模試を受け、今の自分の実力を見極めます。全国小学生統一テストは、そんな小学生向け模試のひとつです。

実施しているのは中学受験の大手塾、四谷大塚

全国小学生統一テストは四谷大塚が実施しています。コマーシャルなどで名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。四谷大塚は長い歴史を持つ大手集団塾で、中学受験において特に実績があります。難関校はもちろん中堅校への合格率も高く、定評のある塾となります。

今回取り上げる全国小学生統一テストは、四谷大塚の塾に通っていなくても受けることができる全国規模の模試です。

受験できる年齢

全国小学生統一テストは、年長児から受けることができます。年長~小学6年生の問題が用意されており、自分の年齢に合わせて受験します。中学受験大手塾が小学校入学前から問題を用意しているということで、最難関校を狙うにはそれだけ早くから準備を開始する必要があることが分かりますね。

受験料と受験場所

全国小学生統一テストは無料で受けられます。四谷大塚以外の塾に通っていても、そもそも塾に通っていなくても、大丈夫。もちろん氏名や住所の入力が必要なので、入塾の希望を聞かれたり入塾案内のダイレクトメールが届いたりするようなる可能性はありますが、模試を受けることによって料金が発生することはありません。

また、受験会場は全国に2,600カ所用意されています。四谷大塚の直営校舎はもちろん、大手塾や個別塾など全国にさまざまある塾が「公認会場塾」として会場となり、そこでテストを受けることになります。一方で、郵送やWebを用いた自宅受験は実施していませんので、注意してください。

受験科目

年齢によって受験科目が異なります。年長児は「算数国語融合問題」のみで、小学1~3年生は「2教科(算・国)」のみ。小学4~6年生は「2教科(算・国)」「3教科(算・国・理)」「4教科(算・国・理・社)」の3種類から自分に合ったものを選べます。また、試験形式は年長児~小学2年生までが記述式、小学3~6年生はマークシート形式となっています。マークシート形式に慣れていない子どもは、初めてだと解答の仕方が分からない可能性がありますので、事前に家庭で練習しておくと安心ですね。

申込方法

全国小学生統一テストは、四谷大塚のホームページから申し込みできます。受験場所についても検索でき、行きやすい会場を自分で選択可能。日程は指定されているため、受験には予定を調整する必要があります。

全国小学生統一テストを受けるメリット

実力試しになる

全国小学生統一テストを受ける大きな目的でありメリットとなるのは、やはり今の自分の実力が分かることでしょう。毎日勉強を頑張っているけれど、周りと比べたときの実力が分からない。もしくは、中学受験を考えているけれど現実的に考えてどの程度の期待値があるのかが分からない、志望校の決め方が分からない、という人はぜひ受けてみてください。

普段学校で受けるテストとは違う緊張感も、中学受験への大切な準備のひとつになります。

模試結果をもとに、さまざまな資料がもらえる

全国小学生統一テスト独自の取り組みとして、テスト受験後に「君だけの診断レポート」がもらえます。これには①全国順位、②都道府県別順位、③偏差値、④領域別成績、⑤講評、⑥解答解説、⑦テスト結果分析が記載されており、テストの結果をより客観的に見ることができます。学年によっては志望校判定も出るため、中学受験に挑むにあたっての大きな指針となります。

一定以上の点数を取ると四谷大塚への入塾資格が得られる

模試で基準点をクリアすると、四谷大塚、四谷大塚NET加盟塾、四谷大塚YTnet提携塾への入塾資格を得ることができます。通常、これらの塾へ入るためには入塾テストに合格する必要がありますが、今回のテストがその代わりになるということですね。

四谷大塚は「選抜制進学塾」を公言しており、入塾テストの合格率は約50%とされています。誰でも通える塾ではないため、全国小学生統一テストで基準点をクリアできたのであれば、入塾を検討するのもひとつの方法です。

次回以降のテスト案内が届く

一度全国小学生統一テストを受けることで「全国統一小学生テスト会員」に登録されます。この会員になれば、次回以降の全国小学生統一テストの案内が無料で届きます。テストは何度受けても無料なので、ぜひ継続して受験し、自分の成長を確かめたいですね。

そのほかの小学生向け模試

全国小学生統一テストは四谷大塚が行っている全国模試ですが、他の大手塾も独自の模試を行っています。住んでいる地域によっては受験できるものが限られてしまうのですが、中学受験を考えているのであれば一度チェックしてみてください。

日能研「全国テスト」

全国小学生統一テストの次に大きな模試として、日能研の全国テストがあります。日能研も中学受験をメインで行う学習塾。全国テストは日能研に通っていなくても受験可能で、小学1~5年生の約20,000人が受験します。全国順位や偏差値に加え、単元ごとの分析で自分の得意・不得意を把握し、今後の学習対策に役立ちます。

SAPIX「サピックスオープン」

中学受験の中でも特に難関中学への進学に力を入れているのがSAPIX。そのため、東京を中心とした首都圏にある難関校をめざす場合には「サピックスオープン」を受験するといいでしょう。受験料がかかりますが、サピックス生以外でも受験可能で、「実力診断」「志望校診断」「合格力判定」などのバリエーションがあるので、目的に合ったものを選んでください。

首都圏模試センター「合判模試」

こちらも首都圏限定になってしまいますが、中学受験で中堅校をめざすなら首都圏模試センターの「合判模試」も選択肢のひとつになります。こちらも受験料は必要ですが誰でも受験することができ、志望校に対する合否判定を行ってくれます。受験場所を学校会場・自宅・塾内(通塾生限定)から選択できるのもポイントです。


まとめ

・塾に通っていなくても無料で受験可能

・小学4年生以上は受験科目を選べる

・中学受験を考えるなら、全国小学生統一テストを受けてみよう

中学受験を考えている人はもちろん、自分の実力を試したい人におすすめなのが小学生統一テストです。誰でも気軽に申し込めて無料で受験できるので、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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金島ちぐさ

元教員

国立大学の学校教育学部にて、小学校教員と中高音楽教員の免許を取得。卒業後は小学校の正教員として勤務。結婚を機に退職し、現在は小学生2人を育てながら教育・子育てに関する情報を発信している。

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