塾はいつから行くべき?小学生が塾に通うメリットとデメリット

小学生になると「周りが塾に行き始めたけど、うちはどうしよう?」と悩む保護者も多いですよね。中学受験を考える家庭はもちろん、学校の勉強が難しくなったから塾を検討する家庭もあります。

今回は、小学生の塾通いについて、メリットやデメリット、塾を検討するときのポイントを解説します。

執筆 元教員 金島ちぐさ

小学生が塾を検討するときのポイント

結論からお伝えすると、「周りが行き始めたから…」という理由だけで塾に通い始めるのはおすすめできません。塾は行くことよりも続けられるかがとても重要です。まずは、家庭環境や子どもの性格、勉強の理解度に合わせた選択をしましょう。

中学受験を考えているかどうか

中学受験を考えている場合、多くの家庭では塾に通うケースが一般的です。小学校3年生の後半~4年生の間に通い始める子どもが多いとされていますが、有名進学塾に入りたい場合は小学校低学年から通い始めるケースも。めざす中学の難易度や子どものやる気に合わせた塾選びがポイントになります。

学校での勉強をどれくらい理解できているか

小学校高学年にかけて学習内容が難しくなってくると、学校での勉強をなかなか理解しづらくなってくることがあります。家で宿題以外の勉強に取り組んだり、親が勉強を教えたりできるなら家庭学習でのフォローが可能ですが、親子での勉強はなかなかうまくいかないもの。家庭学習に取り組みづらかったり、本人が勉強に苦手意識をもっていたりする場合は、塾に通うのもひとつの方法です。

勉強に対する興味や向上心があるかどうか

学力にかかわらず、勉強に前向きに取り組める子どもは、塾でぐんと伸びる可能性が高まります。「分からない問題を解けるようになりたい」「もっと難しい問題に取り組みたい」「テストでいい点数を取れたら嬉しい」といったように勉強に対する興味や向上心はあるでしょうか。塾に通うなら、子ども自身が何か目標をもって勉強に向かえるようにしたいですね。

小学生が塾に通うメリットは?

小学生が塾に通うメリットは子どもによってさまざまです。苦手をフォローしてもらえたり、よりハイレベルな問題に取り組めたりと、我が子にとってどんなメリットがあるかを考えてみましょう。

集中して勉強に取り組む時間を作れる

家ではテレビを観たりお喋りをしてしまったりしてなかなか集中できない子どもでも、塾では集中して勉強に取り組めます。半強制的に勉強に取り組む時間を作ることで、勉強することそのものに慣れ、勉強への取り組み方が分かってくるのは大きなメリット。

苦手な部分を中心に教えてもらえる

塾の形態や契約内容にもよるのですが、いわゆる個別指導や個人授業と呼ばれるものであれば、子ども一人ひとりに合わせた内容で取り組めます。「特に苦手な算数だけを教えてほしい」といった教科の指定はもちろん、「特に文章題に力を入れてほしい」「図形問題をやりたい」など、子どもの苦手に寄り添うことが可能です。時には前学年の内容に戻りながら、ていねいに勉強を進めることができるでしょう。

学校の授業やテストに安心して取り組める

学校の授業進度に合わせて塾で学習することで、「授業についていけるかな」「テストで点が取れるかな」という不安を解消できます。勉強面で自信をもって学校に通えることは、子どもにとって大きなメリット。

受験に関する情報を入手できる

中学受験を考えている場合は、塾は最新情報を得る強い味方です。今はネットやSNSで情報を集めることも可能ですが、やはりリアルタイムの情報が集まりやすいのは塾です。中学受験のノウハウがある塾を選ぶようにしましょう。

小学生が塾に通うときのデメリットは?

時間的にも労力的にも、塾通いにはデメリットもあります。子どもの負担になりすぎないよう、そして親の負担も大きくなりすぎないように、バランスを考えたいですね。

子どもの自由時間が減る

塾に限りませんが、新たに習い事を始めると放課後自由に過ごす時間が減ってしまいます。友だちと遊んだりゲームをしたりして過ごす時間は、子どもにとっては貴重なオフタイム。親は、子どもが家で過ごすときの姿しか見ることができないので「勉強しないで毎日ゲームばかりしている!」と思うかもしれません。ところが、子どもたちは毎日学校で勉強したり、友だち付き合いをしたりと、子どもなりに頑張っています。子どものオフタイムがなくなりすぎないように気を付けたいですね。

学校の授業がつまらなく感じてしまうかも

ある程度勉強が得意な子どもが塾通いを始めると、塾での勉強が楽しい反面、学校の授業がつまらなく感じてしまうことがあります。塾では子どものレベルに合わせた問題に取り組めますが、学校は一斉授業ですし、何も知らないことを前提にした内容になります。「塾で習ったから分かるし、つまらないな」と思うこともあるかもしれませんが、「自分とは違う考え方をする友だちもいるんだな」「こんな解き方もあるんだな」など、視点を変えた学びができるといいですね。

勉強嫌いになってしまう可能性がある

「テストの点数が悪いから」「家で全然勉強しないから」と、保護者の意向で塾通いを始めるパターンも少なくありません。「塾に入れればなんとかなる!」と思うかもしれませんが、本人にやる気がない状態で塾に通うのは逆効果になってしまう危険も。もちろん塾側も、子どものやる気を引き出して楽しく学んでもらえるような働きかけをしてくれますが、あくまで勉強をするのは子ども自身です。学校で勉強するだけで精一杯の子どもが塾でも勉強をするとなると、勉強嫌いになってしまう可能性に注意しなければなりません。

親の負担が増える

金銭面や送迎など、保護者の負担が増えるのも見逃せないデメリットです。小学校低学年~中学年であれば週1回の通塾が可能なケースもありますが、小学校高学年や中学校になると通塾の回数が増えたり、授業時間が長くなる関係で夕飯のお弁当が必要になったりしてきます。また夏期講習や冬期講習、模試等の案内も必ずあるので、今後どういったスケジュールや予算感になるのかを長い目で確認するようにしましょう。


まとめ

・「塾に行かせればなんとかなる!」は、危険な思い込みかも

・子ども自身に「勉強をする目的」や「目標」があるなら効果的

・子どもや親の負担が増えすぎないように注意

今回は、小学生から塾に通うことのメリットとデメリットを考えました。子どもが本格的に勉強が苦手になってしまう前に、早めに塾へ通って苦手をフォローするのはよい方法です。ただ子ども自身のやる気や負担も考え、相談しながら進めるようにしてくださいね。

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金島ちぐさ

元教員

国立大学の学校教育学部にて、小学校教員と中高音楽教員の免許を取得。卒業後は小学校の正教員として勤務。結婚を機に退職し、現在は小学生2人を育てながら教育・子育てに関する情報を発信している。

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