
夏休みの宿題、どうする?夏休みの宿題の定番、「自由研究」について子どもと一緒に考える
自由研究は時間がかかる宿題です。それゆえに後回しにしてしまい、夏休み終盤で焦ってしまう親子も多いのではないでしょうか。早めに準備を始めることで内容が充実し、焦らずに取り組むことができます。
今回は、自由研究テーマの選び方と、特に早めに取りかかりたい自由研究テーマについて考えます。
執筆 元教員 金島ちぐさ
目次
自由研究テーマの選び方

自由研究はとても幅が広いので、いざ何をテーマに選ぼうかと悩む親子も多いと思います。本人の興味や得意を考えながら、楽しく取り組めるテーマを選びましょう。
本人の興味関心を優先する
子どもが楽しんで取り組めるように、まずは本人の興味を優先してテーマを選びましょう。虫が好き、花が好き、星が好きといったものだけではなく、食べることが好き、折り紙が好きなど日常生活に関連することもテーマ選びに役立ちます。子どもが自分からやりたいと思えるようなテーマ探しをしてみてください。
ジャンルから得意なものを選ぶ
ひと口に自由研究といっても、ジャンルは様々あります。実験、観察、収集、工作、調べ学習などの中から、得意なジャンルを選ぶとスムーズでしょう。実験は市販されている自由研究向けのキットもありますし、調べ学習であればインターネットや図書館でできます。文字にまとめるのが苦手な子の場合は工作を選ぶといいですが、学校によっては「紙にまとめる」ことが条件となっている場合もありますので注意してくださいね。
時事ネタや身近なテーマから選ぶ
新紙幣が発行される、万博やオリンピックが開催されるといった時事ネタがある場合は、これを基に自由研究を進めることができます。これまでの貨幣の歴史や、実際に万博へ行ってみたレポート、各国の食文化の違いを調べるなど、幅広いテーマの候補があるでしょう。
また、自分の身の回りからテーマを選ぶ方法もあります。「水泳を習っているから、早く泳ぐ方法を調べてみよう」「自分の先祖について調べてみよう」「地元の名産品や産業について調べてみよう」というように、身近なところからテーマを探せば取り組みやすく、モチベーション維持にもつながります。
早めに取りかかりたい自由研究テーマとは?

自由研究テーマによっては「3日で終わる」や「1日で終わる」というものもありますが、どうしても時間がかかってしまうテーマも存在します。早めからじっくり取りかかるのに向いているテーマをご紹介します。
石、砂、植物、昆虫などの収集
様々なサンプルを集めて比べる自由研究は、夏休み期間中だけでは種類が限られてしまいます。6月と8月では咲いている花も違いますし、見つかる昆虫も変わります。とにかくたくさんの種類を集めることを目的にしてもいいですし、季節による変化に着目してまとめるのもいいですね。秋と冬に関しては調べ学習を並行し、四季すべてを網羅するのもひとつの方法です。
また、石や砂を収集して分類するような自由研究を考える場合も、早めに取りかかるのがおすすめです。休日に出かけた先で収集すれば、無理なく広範囲のサンプルを手に入れることができます。
ただ、花や石等は場所によっては採取が禁止されている場合があるので注意しましょう。
植物や生きものの観察日記
自由研究の代表と言える「観察日記」ですが、夏休み中だけでは少し期間が短いでしょう。あさがお、ひまわり、きゅうり、トマトなど自由研究向きの植物はたくさんありますが、どれも1か月で発芽から開花・収穫までたどり着けるわけではありません。6月ごろには植え付けを行い、成長を観察していくのがおすすめです。
同じように生きものの観察日記も、時間をかけた方が変化のある面白い内容になります。カブトムシが成虫になるまでの観察、おたまじゃくしがカエルに成長するまでの観察、メダカの産卵から成長の観察など、時間をかけて取り組めるといいですね。
月、星座、太陽等の変化調査
小学校中学年以上であれば、月や星座といった宇宙に着目した自由研究が可能です。月の満ち欠けについて調査したいなら、周期が約30日ですので夏休み前から取りかかる方が安心。太陽に関しては、夏は日が長いイメージですが、1年のうち最も日が長い夏至は6月21日です。夏至以降の日の出日の入りの変化を調査したいなら、夏休み前から取りかかりましょう。
トライアンドエラーが必要な実験など
例えばですが、次のようなテーマに取り組むならトライアンドエラーを繰り返すことになるので時間がかかります。
実験…「割れないシャボン玉」「塩の結晶作り」「野菜で紙漉き」
工作…「壊れない段ボール椅子」「“くす玉”作り」「本物そっくりの食玩作り」
料理…「冷凍庫なしでアイスを作るには?」「ふわふわパンケーキの作り方」「ロックキャンディー作り(砂糖の結晶化)」
無理をすれば短期間でも取り組めるかもしれませんが、なかなかうまくいかないと焦ってしまいますし、取り組む時間をまとめて捻出するのも大変ですよね。せっかく取り組むなら自分が納得するものができるまでやりたいですから、早めに計画を立て、何度も失敗を重ねながら探究・追求していきましょう。
工場見学や体験学習
多くの企業や工場が、工場見学を実施しています。また夏休みは科学館や博物館、動物園などでも体験学習のイベントが用意されていることが多いですよね。参加するだけで自由研究として提出できるような成果物があったり、体験したことをまとめることで自由研究が完成したりするイベントには、ぜひ参加したいものです。
工場見学や体験学習の予約は1か月~3か月前から始まっていることがありますので、参加を考えている場合は今の時期からチェックしておく必要があります。子どもの興味関心とも相談しながら、イベント探しを楽しんでください。
まとめ
・子どもの興味関心を優先したテーマ選びをする
・収集や観察は早めに取りかかることで内容が充実する
・実験は一度で成功するとは限らないので要注意
今回は早めに取りかかりたい自由研究テーマについて考えました。
夏休みが始まってから「これをテーマにしたい!」と思っても、時間的に厳しくて諦めることになっては残念ですよね。取り組みたいテーマが思い浮かぶなら、今の時期から検討してみてはいかがでしょうか。

金島ちぐさ
元教員
国立大学の学校教育学部にて、小学校教員と中高音楽教員の免許を取得。卒業後は小学校の正教員として勤務。結婚を機に退職し、現在は小学生2人を育てながら教育・子育てに関する情報を発信している。