小学生の家庭学習に生成AIを使うなら?上手な使い方と注意点

ChatGPTやGemini、Claudeなど文章や画像、動画などを簡単に作り出せる生成AIが身近になり、普段から活用している方も多いのではないでしょうか。一方で、生成AIに対して漠然とした不安感があり、あえて使わないようにしているという方もいらっしゃると思います。

生成AIは、うまく使えば家庭学習にも役立つツールです。この記事では、小学生の家庭学習で生成AIを活用できる場面と、保護者として知っておきたい注意点を分かりやすくお伝えします。

執筆 元教員 金島ちぐさ

小学生の家庭学習で生成AIを使うなら?

学校の授業で分からなかったところを補ったり、追加の練習問題を作ってもらったりと、生成AIが家庭学習で活躍する場面があります。

授業で分からなかったところを解説してもらう

例えば、「小数のわり算のやり方が分からなかった」「鎌倉時代って何があったんだったっけ?」といったように、授業で聞いたけど分からなかったところ、忘れてしまったところなどを生成AIに解説してもらうことができます。計算の方法はひとつでも、説明の仕方にはいろいろな方法があります。授業を聞いたり教科書を読んだりしてピンと来なくても、生成AIであれば特に子どもの年齢や習得度に応じて理解しやすい言い回しで説明をしてもらうことも簡単にできますので、どうやったらわかってもらえるか?と伝え方に悩む負担も減らせます。。

また、「自分なりの考え方があるけれど合っているか分からない」といったときに生成AIに聞いてみるのもひとつの方法です。「円の面積の求め方は半径×半径×3.14だったっけ?」という質問をすれば、それが正しいことを伝えてくれます。

練習問題を作ってもらう

計算問題を繰り返し解きたいときや、文章問題の練習をしたいときにも、生成AIを活用できます。「小学校3年生向けに、余りのあるわり算を使った文章問題を作って」とお願いすればたくさんの文章問題を作ってもらえますし、「7の段を使ってほしい」「問題に恐竜を出してほしい」など、子どもの苦手や興味に合わせた問題にアレンジすることも可能です。

練習問題作成については、中学受験対策にも役立てることができます。たとえば小学校6年生の歴史分野で「小学校6年生向けに、平安時代のクイズを4択形式で作って」とお願い(プロンプトを入力)すれば、実際の問題に近づけた形で練習問題を作ることも簡単にできます。出てきた用語について、追加のプロンプトを入力すれば解説や類似問題の作成も可能です。反復して暗記したい科目や分野で、生成AIが活躍するのではないでしょうか。

調べ物を手伝ってもらう

小学校中学年以上になると、自主学習の宿題が出ることが多くなります。算数や社会など科目の勉強をしてもよいのですが、自分の興味があることや時事ネタについて、いわゆる「調べ学習」をする子どもも。このとき、生成AIに調べ物を手伝ってもらうことができます。

「飛行機はなぜ空を飛べるの?」「今戦争している国はあるの?」などの疑問に対して、「小学5年生にも分かるように教えて」と伝えることで、やさしい言葉で説明してくれます。

ただ、情報の正確性については後述する注意点を必ず意識しましょう。

誤字脱字や文法のチェックをしてもらう

夏休みの読書感想文や自由研究など、長文を書く機会があるときには、生成AIで誤字脱字や文法のチェックをしてもらえます。直接文章を打ち込んでもいいですし、紙に書いた文章を画像で取り込み、そこからチェックしてもらう方法もあります。生成AIに「誤字脱字のチェックだけをしてほしい」「文章の校正をしてほしい」など目的をしっかり伝えることがポイントです。

一方で、生成AIに読書感想文そのものを作ってもらうことが問題になっています。本のタイトルを入れ、「1000文字で読書感想文を書いて」とお願いすれば、数秒で完成します。「もう少し簡単な言葉を使って」「わたしの○○のエピソードを入れて」など、情報を加えることでどんどん精度の高い文章に仕上がることも事実です。しかし、こうして作成した生成AIの文章を丸ごと転記して提出するのは本来の学びとは言えませんよね。読書感想文の書き方や構成についてアドバイスをもらうのは良いと思いますが、文章そのものは自分の言葉を使うようにしましょう。

画像やイラスト、動画などを作る

勉強からは少し離れますが、生成AIを利用した画像・イラストの作成も話題になっています。例えば、子どもが自分で書いたイラストを画像として取り込み、「イラストをきれいに整えて」「イラストに色をつけて」とお願いすることで本格的な仕上がりに。これまでは、パソコンやタブレットに専用のソフト、アプリを入れないとデジタルイラストは作れませんでしたが、誰でも気軽に自作のイラストを補正・調整できるようになったのは生成AIの大きな魅力です。

ほかにも、テキスト入力のみで画像やイラストを作ってくれる機能もあります。子ども本人は一切絵を描く必要がありません。生成AIがインターネット上にある膨大な画像・イラストの情報を学習し、入力された指示に従ったものを生成してくれます。絵の技術がなくても絵を描けるというのが魅力ですが、一方で権利侵害のリスクが潜んでいます。既存のキャラクターや実在する人物を指定して新たな画像を作る、好きなイラストレーターの画像だけを学習させて架空の新作を生成するなどの行為は、商標権や著作権を侵害してしまいます。法整備が追い付いていない面もあり難しい問題ですので、慎重に付き合っていく必要があります。

生成AIを使うときの注意点

生成AIは便利ですが、使う上で注意したいこともあります。使用時間を決めたり、使用場面を限定したりしながら、上手に付き合っていきましょう。

また、多くの生成AIサービスには年齢制限が設けられており、保護者の同意が必要な場合や、一定の年齢以上でなければ利用できないものもあります。利用する前に、対象年齢や利用規約を必ず確認することが大切です。

主な生成AIサービスの年齢制限

代表的な生成AIサービスでは、以下のような年齢制限や利用条件が設けられています。

ChatGPT
原則 13歳以上。18歳未満の場合は、保護者の同意や見守りのもとでの利用が求められています。

Gemini(Google)
13歳以上が対象。18歳未満の場合は、保護者によるアカウント管理(ファミリーリンクなど)が前提となる場合があります。

Microsoft Copilot
13歳以上が目安。未成年の利用については、保護者の管理や同意が想定されています。

Claude(Anthropic)
18歳以上が対象。

※年齢条件や利用ルールは、今後変更される可能性があります。必ず最新の利用規約をご確認ください。

保護者が見守れる環境で使用する

生成AIは、便利で勉強の力になってくれる反面、使い方に注意が必要な部分もあります。生成AIとの上手な付き合い方を習得するまでは、保護者と一緒に使用するようにしましょう。また、保護者自身も生成AIについて情報を収集し、学んでいく必要があります。わたしたちが子どもの頃にはなかったツールだからこそ、禁止して遠ざけるだけではなく、どう付き合っていくかを模索していく必要があるのではないでしょうか。

生成AIに個人情報を教えない

名前や学校名、住所、顔や家を特定できる写真、パスワードなど、個人情報を伝えないようにしましょう。入力した内容はすべて、情報の一部としてインターネット上に残る可能性があります。生成AIとのやり取りは一対一の安全な環境のように誤解しがちですが、そうではないことを忘れてはいけません。個人を特定できるような情報を入力するのは避けましょう。

生成AIにも間違いがあることを認識する

調べ物をする際の注意点でもお伝えしましたが、生成AIは間違った情報を伝えることがあります。特に生成AIは、間違った情報でも「もっともらしく」伝えてくるので、それが間違いだということに気付きにくいことがあります。

これは生成AIに限らず、インターネット上の情報すべてに対して言えることですが、「この情報は正しいのか?」と確かめる手順を忘れてはいけません。ファクトチェック(真偽検証)を行い、生成AIの答えをうのみにしないようにしましょう。

AI依存に気を付ける

家庭学習の中で、問題作りや調べ物を手伝ってもらう程度であれば、AI依存になる心配はそこまでありません。「明日暇なんだけど何をすればいいと思う?」「今日学校で嫌なことがあったから聞いてほしい」といったような、パーソナルな質問や相談をする癖がつくと、なんでもAIに決めてもらわないと不安に感じるようになる危険があります。

子どもが生成AIを友だちのように感じたり、困ったときは生成AIに聞けばいいと考えたりするようになるのは望ましい状態とは言えません。生成AIの使い方や使用時間について親子で話し合い、よい距離感で活用できるようにしましょう。


まとめ

・問題作成や調べ学習で、生成AIが役立つ

・生成AIの性質や権利侵害のリスクについては親子で学ぶ必要がある

・AI依存にならないよう、よい距離感で上手に活用しよう

生成AIの得意な面を生かして活用すれば、家庭学習の力強い味方になってくれます。子どもも保護者も生成AIへの理解を深め、うまく付き合っていきたいですね。

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金島ちぐさ

元教員

国立大学の学校教育学部にて、小学校教員と中高音楽教員の免許を取得。卒業後は小学校の正教員として勤務。結婚を機に退職し、現在は小学生2人を育てながら教育・子育てに関する情報を発信している。

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