
ランドセルを6年間キレイに保つ!お手入れ・保管・置き方の基本まとめ
ランドセルは、毎日の通学に欠かせない大切なアイテム。高価なものだからこそ、できるだけきれいに、長く使いたいですよね。この記事では、ランドセルのお手入れ方法・正しい保管の仕方・やってはいけない置き方など、知っておきたい情報をまるっと解説します。
目次
お手入れの基本|汚れたときどうする?

ランドセルは毎日使うものだからこそ、汚れや水分・汗など、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。小さな汚れや濡れを長期間放置すると、シミ・変色・型崩れの原因になることも。
ここでは、表面の汚れ対策・雨や汗で濡れたときの対処法・夏場や水筒のこぼれ対策まで、日常でよくある3つのケースを詳しく解説します。
表面が汚れたらどうする?
子どもが毎日使うランドセルは、知らないうちに鉛筆や手垢、砂埃などの汚れが付着します。表面が汚れてしまった場合、以下の手順でやさしくケアしましょう。
【お手入れ手順】
1. 中性洗剤(食器用洗剤でOK)を水で薄める(洗剤1:水10程度)
2. やわらかい布やタオルに液を含ませ、しっかり絞る
3. 汚れている部分を優しく拭く(強くこすらない)
4. 乾いた布で仕上げ拭きする
鉛筆の黒ずみなど、布では落ちにくい汚れには消しゴムが効果的です。こすりすぎには注意し、様子を見ながら使用しましょう。
※シンナー・ベンジン・アルコールなどの薬品類は絶対に使用しないでください。表面のコーティングが剥がれたり、色ムラや劣化の原因になります。
【毎日のひと手間が長持ちのコツ】
・汚れが目立つ前に、週に1回程度の水拭き習慣をつけておくと、汚れが蓄積しにくくなります。
・汚れを放置すると落ちにくくなり、革素材にダメージが残ることもあるので、早めの対応がポイントです。
雨や汗で濡れたときの対処法
ランドセルのほとんどは防水・撥水加工が施されており、少々の雨や汗では染み込みません。しかし、濡れた状態で放置するのはNGです。
【表面が濡れたとき】
・乾いた清潔な布でやさしく押さえるようにして水分を吸い取る
・自然乾燥が基本。風通しの良い日陰で乾かす
【中まで濡れてしまったとき】
・中身(教科書・ノート・ポーチなど)をすぐに取り出し
・本体を完全に空にして陰干し(直射日光に当てない)
【絶対にしてはいけない乾かし方】
・ドライヤーやストーブで温風を当てる
・直射日光での天日干し
・濡れた状態で防水スプレーを吹きかける(素材を傷めることがあります)
夏の汗・水筒のこぼれにどう備える?
暑い時期は、子どもの背中に汗をかくことが多く、また、水筒の中身が漏れるリスクも高まります。
【汗による対策】
・素材自体が汗を吸い込むことはあまりないので、基本的に放置してOK
・気になる場合は、革用クリーナーや乾いた布で拭くと安心
【水筒がこぼれたときの応急処置】
・ランドセルの中が濡れたら、まずは中身をすぐに取り出す
・水分をしっかり拭き取ってから陰干し
・お茶など色のついた飲料の場合は、水拭き後に革用クリーナーでケアしておくと変色を防げます
【ポイント】
・最近のランドセルは内部も水に強い素材で作られており、適切に対処すればカビや変色のリスクは低いです。
・ニオイが気になる場合は、よく乾かしてから防臭シートなどを活用してもOK。
このように、ランドセルのお手入れは「濡れたら拭く」「汚れたらこする前にやさしくケア」が基本です。大がかりなクリーニングを頻繁にする必要はなく、ちょっとした心がけで十分きれいを保てます。
素材別メンテナンス方法

ランドセルは素材によってお手入れの方法が少し変わります。以下を目安に、素材に合ったケアを行いましょう。
牛革・人工皮革の場合
牛革ストロング・クラリーノと呼ばれる、人工皮革や表面加工された牛革素材は、比較的お手入れが簡単です。
・基本の水拭きだけでも十分きれいに保てます
・汚れが気になる場合は、中性洗剤を薄めて拭き取りましょう
・市販のランドセル専用メンテナンスキットを使えば、より安心してお手入れできます
ソフト牛革・コードバンの場合
より繊細で高級感のある素材には、少し丁寧なケアが必要です。
・基本の拭き掃除に加えて、乾燥やくすみが気になる部分には皮革用クリームを使用すると◎
・使い込むことで革の風合いが変わる「経年変化」も魅力のひとつ。日々のケアで味わいが増していきます
・湿気や直射日光を避け、風通しのよい場所での保管が大切です
素材の特徴を活かしたお手入れをすることで、6年間しっかりと使い続けられる相棒になります。ご家庭に合った方法で、無理なくケアしていきましょう。
保管の基本|届いてから入学まで

ランドセルが届いてから実際に使い始めるまでには数か月〜半年以上の空白期間があることも珍しくありません。この間に型崩れや劣化を防ぐためには、正しい確認と保管が大切です。
届いたらまずチェックしよう
箱から取り出したら、すぐに以下の点を確認しましょう:
・注文内容と一致しているか(カラー・素材・モデル名)
・金具やファスナーの開閉に問題はないか
・背負ったときにフィット感があるか
・傷や縫製の不良がないか
もし不備が見つかった場合は、購入元に早めに連絡を。特に年末年始や繁忙期を挟むと交換に時間がかかることもあるため、届いたらすぐにチェックするのがおすすめです。
正しく箱に戻して保管
チェックが終わったら、入学までの間はなるべく箱に戻して保管します。このとき、届いた状態に近づけることが大切です。型崩れ防止のために、以下のポイントを押さえましょう:
・中に詰め物(紙やクッション材)が入っていた場合は戻す
・肩ベルトの位置も元通りにする
・ランドセルを立てた状態、もしくは背当て側を下にして寝かせて保管する
このようにすることで、革の伸びやクセづき、金具の負荷を最小限に抑えることができます。
保管場所にも注意!
ランドセルは高温や多湿に弱い素材です。一般的な住宅の屋内であれば基本的に問題ありませんが、以下のような環境で保管すると安心です:
・直射日光の当たらない、風通しのよい場所
・押し入れやクローゼットの中でも、湿気がこもらないように除湿剤を併用するのがおすすめ
・床に直接置かず、棚やスノコの上に乗せると安心
また、横置きにする場合は「背中側を下」にするのが基本です。こうすることで、フタやマチ部分の形が崩れにくくなります。
NGな置き方5選|やってしまいがちな注意点

ランドセルは丈夫に作られていますが、置き方や保管方法を誤ると、シワや変形、破損の原因になることも。特に以下のような置き方は避けましょう。
1. フタ(カブセ)を下にして置く
つい安定するからとフタを下にして置いてしまいがちですが、これによりフタにシワが寄ったり、革が変形してしまいます。見た目だけでなく機能面にも影響するため注意が必要です。
2. 上部の持ち手をフックに掛ける
学校のロッカーなどでよく見かける光景ですが、ランドセルの重量がすべて持ち手部分にかかることで、縫い目が引っ張られ、ほつれや破損につながることがあります。空の状態なら負荷は少ないですが、特に荷物が入った状態では避けましょう。
3. 中身が入ったまま長期間吊るす
教科書や筆箱などが入った状態でフックに掛けておくと、ランドセル本体や肩ベルトに負荷がかかり、型崩れしやすくなります。長期休み中は中身を出してから保管しましょう。
4. ラックの支柱などにカブセが垂れる形でかける
フタの一部が支柱や棚に接してしまうと、その部分だけに圧力がかかり、凹みができることがあります。特に長時間の接触は跡が残りやすく、元に戻らない場合も。
5. ナスカン(肩ベルトの金具)を反転した状態で保管
肩ベルトに付いた金具部分がフタ側に強く押し当てられていると、革がへこんでしまうことがあります。収納時には金具が自然な位置に戻っているかも確認しましょう。
正しい置き方3選|型崩れしにくく長持ち!

ランドセルを長くきれいに使うためには、普段の置き方にも少し気を配ることが大切です。ちょっとした意識で、型崩れや傷みを防げます。
まずおすすめなのは立てて置く方法。このとき、下ベルト(肩ベルト)を後ろに引いておくと、ぐらつきにくく安定します。教科書などが入ったままでも倒れにくいので、家庭内での保管にも便利です。
次に、横置きで保管する場合は「背中側を下」にしてベルトが下になる向きが基本。ランドセルのフタ(カブセ)が床に触れないように置くことで、変形やシワを防げます。
さらに、ラックや棚に収納するときは、フタやベルトが棚の支柱などに当たらないように注意しましょう。とくにランドセルのカブセ部分がラックの角に長時間触れていると、変形や凹みの原因になります。
「ちょっと置き方を気にするだけで、きれいさが全然違う!」という声も多く聞かれます。日々の扱い方でランドセルの持ちも変わってくるので、ぜひ正しい置き方を意識してみてください。
まとめ
・ランドセルは毎日のお手入れが大切
・素材に合ったメンテナンスを
・置き方・保管方法で寿命が変わる
日々のちょっとした気配りと正しい扱い方を心がければ、ランドセルは6年間しっかり子どもの通学を支えてくれる相棒になります。買ったときのきれいな状態を保ちながら、思い出もたっぷり詰まったランドセルにしていきましょう。
【参考】
もっと詳しく知りたい方は、公式Instagramでもランドセル選びのヒントを動画でわかりやすく発信中!
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井戸田和之
株式会社村瀬鞄行/職人パパ
高校生の頃に独学でレザークラフトを始め、大学卒業後に株式会社村瀬鞄行に入社。2022年に鞄技術認定1級を取得し、現在は同試験の試験官も勤める。また2児の父であり、自身もランドセルで通勤している視点から、「職人パパ」としてSNSを中心に情報発信も行なっている。