【保存版】ランドセル選び完全ガイド|素材・機能・メーカーの違いまで、後悔しない選び方とは?

ランドセルは、子どもが6年間ほぼ毎日使う“相棒”のような存在。だからこそ、選ぶときには慎重になりますよね。
でも実際には、「デザインだけで決めて後悔した…」「もっと調べておけばよかった」という声も少なくありません。

この記事では、ランドセル選びで失敗しないための5つのチェックポイントと、素材やメーカーの違いを“職人目線”でわかりやすく解説していきます。
これからランドセルを選ぶすべてのご家庭に、きっと役立つはずです。

監修者:株式会社村瀬鞄行/職人パパ 井戸田和之

ランドセル選びで失敗しない5つのチェックポイント

ランドセル選び、実はとても奥が深いんです。
「かわいいから」「軽そうだから」と直感で決めてしまった結果、あとから「失敗したかも…」と感じる保護者も少なくありません。

6年間、毎日背負うものだからこそ、見た目・機能・素材・信頼性をバランスよく見極めることが大切です。

ランドセル選びで後悔しないための5つのチェックポイントを、具体的にご紹介します。

1. 見た目だけで決めない 

ランドセル売り場では、色とデザインに目を奪われがち。
「本人が気に入ったものを選ばせてあげたい」という親心もわかりますが、6年間使い続けるとなると、見た目だけで決めるのは少し危険です。

特に注意したいのは、派手すぎる色・流行りのデザインなど。高学年になると好みが変わることもあり、「もうこの色イヤ…」と使いたがらなくなる子も。

見た目だけでなく、耐久性・機能性・通学距離に合った重さなど、トータルでバランスのとれたランドセルを選びましょう。

2. 背負いやすさ最優先

ランドセルを選ぶとき、多くの人が「軽いかどうか」に注目します。
でも実際には、教科書や筆箱、体操着、水筒などを入れて背負ったときの感覚がとても大切です。

肩ベルトが肩にしっかり乗っているか、背中に密着しているか、体が前のめりになっていないかなど、実際に試着してみてチェックしましょう。

とくに小柄な子や通学距離が長い子は、背カンの可動性や肩ベルトの形状などが身体への負担に大きく影響します。
「軽いだけじゃない、背負いやすいかどうか」がポイントです。

3. 丈夫さをチェック

ランドセルは週5日、年間200日以上、6年間使うもの。雨にも風にも雪にもさらされますし、子どもは思いがけない雑な扱いをしてしまうこともあります。

見落としがちなのが「素材の違いによる耐久性」。
人工皮革は軽い反面、10年前後で劣化することも。本革は重めですが丈夫で、使い込むほど体に馴染んでくるという利点があります。

さらに、「マチ(側面)部分の芯材がしっかりしているか」「縫製が丁寧か」など、構造的な強さも見ておくと安心です。

4. 親も子も納得すること

子どもが「この色がいい!このキャラがいい!」と強く希望しても、親としては耐久性や安全性、価格も気になるところ。

逆に、親が良かれと思って選んだランドセルに子どもが興味を示さないと、せっかくの新生活にワクワク感がなくなってしまうことも。

おすすめは、親子で事前に「大切にしたい条件」をすり合わせてから選ぶこと。
「色は子どもが決めて、素材や機能は親がチェック」など、役割分担もおすすめです。

5. 実績と信頼のあるメーカーを選ぶ

価格だけで決めてしまうと、壊れたときに修理ができなかったり、保証が不十分だったりすることも。ランドセルは“買って終わり”ではなく、アフターサポートが受けられるかどうかがとても大切です。

その点、長年ランドセルを作り続けてきたメーカーや工房には「6年間しっかり使ってもらう」ためのノウハウと実績があります。
多くの家庭から選ばれている=信頼されている証拠でもあります。

「何かあったときにちゃんと対応してもらえるかどうか」は、見た目や価格以上に大事な視点です。

素材比較|人工皮革 vs 本革の違いをしっかり理解しよう

ランドセルを選ぶ上で、多くのご家庭が迷うのが「人工皮革にするか、本革にするか」という素材の選択です。

どちらにもメリット・デメリットがあり、「どちらが正解」というものではありません。大切なのは、何を重視するか=ご家庭の価値観に合った素材を選ぶことです。

以下に、それぞれの素材の特徴を詳しく見ていきましょう。

重さ

人工皮革:軽量で、体の小さな低学年のお子さんでも扱いやすいのが特長。毎日の通学を少しでも楽にしたい場合におすすめ。

本革:人工皮革に比べると重めですが、その分しっかりとした作りで型崩れしにくく丈夫。使うほどに馴染んでいく感覚も魅力の一つです。

※人工皮革と本革の重さの違いは、同じつくりをした場合、約150~200g(スマートフォン1台分くらい)

価格

人工皮革:素材コストや生産効率の高さから、比較的手ごろな価格で購入可能。兄弟姉妹がいるご家庭など、予算を抑えたい方に人気。

本革:高価ですが、そのぶん高級感や風合いがあり、贈り物として選ばれることも多い素材です。

柔軟性・使いやすさ

人工皮革:柔らかく、買ってすぐに背負いやすいのがポイント。個体差が少なく、安定した素材です。

本革:最初は硬めに感じることもありますが、使い続けるうちに自然とお子さんの体にフィットしていきます。

生産性・仕立ての違い

人工皮革:機械による大量生産が可能なため、デザイン展開も豊富。量販店やメーカー系に多く見られる素材です。

本革:手作業の工程が多く、職人の技術が必要とされます。工房系ランドセルに多く採用されており、1点1点丁寧に仕立てられています。

耐久性

人工皮革:6年間の使用には問題ないものの、素材の劣化は8年~10年程度で起こることがあり、リメイクなどの再利用にはあまり向かないとされています。

本革:時間が経っても風合いが増し、丈夫で長く使えるのが大きな魅力。卒業後に財布やキーケースなどへのリメイクができる点も人気です。

※6年間の思い出が詰ったランドセルとなるため、お子様が成人されるとき、またはご結婚されるときに親から子へのサプライズとして、お子様の通知表や作品などを保管し思い出の宝箱として保存される方もお見えになるようです。お子様の中には、成長したお返しとして思い出を、子から親へ返すようにする方もお見えになります。ランドセル工業会が認定したランドセルは、丈夫なつくりのものが多いため、卒業後に災害時のリュック代わりとして活用する人もいます。

サステナビリティ(環境配慮)

人工皮革:工業製品として安定供給される素材で、普及率も高いです。

本革:食肉の副産物として活用されており、資源の有効活用という意味でエコロジーな選択肢といえます。

デザイン傾向

人工皮革:豊富なカラーバリエーションやステッチデザインが魅力。子どもが「好き!」と思う色に出会える確率が高いです。

本革:落ち着いたシンプルなデザインが中心で、高学年になっても飽きが来にくいのが強みです。

最終的には、ご家庭が何を重視するかによって、選ぶべき素材は異なります。

「とにかく軽くて扱いやすいものを」「豊富なデザインから選びたい」→人工皮革
「丈夫で、できればリメイクも視野に入れたい」「シンプルで長く愛せるものを」→本革

どちらも近年は機能面が大きく進化しており、人工皮革でも非常に高品質なモデルが登場しています。まずはそれぞれの特徴とご家庭の希望を照らし合わせて選んでみてくださいね。

ナイロンやポリエステルがランドセルに採用されない理由

なぜランドセル工業会が認定されている素材の中に、一般的なリュックで使われる「ナイロン」や「ポリエステル」素材が含まれていないのか?以下のような理由があります。

 ・6年間の使用に耐えうる素材でない

 ・6年間の実証性がない

 ・6年間の使用により摩耗による破れが懸念される

 ・防水性がない

 ・今のランドセルと同じ強度を保った際に、重くなる

 ・汚れが付着した時に他の素材に比べて汚れがとれない

工房系 vs メーカー系ランドセルの違いと選び方

ランドセルには大きく分けて「工房系」と「メーカー系」の2つのタイプがあります。どちらにも魅力と個性があるので、お子さんやご家庭に合ったタイプを選んでみてください。

工房系ランドセルの特長

  • 職人が一つひとつ丁寧に仕立てる
  • 牛革やコードバンなど、上質な素材にこだわる
  • シンプルで飽きのこないデザインが多い
  • 卒業後にリメイクできるモデルも豊富

「丈夫で上質なランドセルを長く使いたい」「見た目も質感も大切にしたい」という方におすすめ。

メーカー系ランドセルの特長

  • 軽さや機能性(背カン、反射材、自動ロックなど)が充実
  • 豊富なカラーバリエーションとデザイン展開
  • 取扱店舗が多く、購入や修理が手軽。

「軽さや安全性を重視したい」「子どもの好きな色やデザインを選ばせたい」という方にぴったり。

最近では、工房の丁寧な作りとメーカーの機能性を兼ね備えた「ハイブリッド型ランドセル」も増えてきました。

どちらの良さも取り入れたい方には、こうした選択肢もおすすめです。

フィッティングでチェックすべき3つのポイント

ランドセル選びで意外と見落とされがちなのが「背負い心地」。
実は、体に合っていないランドセルは、肩こりや姿勢の悪化の原因にもなります。

購入前に、以下の3つのポイントを必ずチェックしましょう。

1. 肩ベルトが肩関節の内側にしっかり乗っているか

肩ベルトが肩から外にはみ出していないかをチェックします。
外側にズレていると、ランドセルが左右に振られやすくなり、歩きにくさや肩への負担につながります。

適切なフィットの目安は、ベルトが肩の一番高い位置(肩関節の内側)に乗っている状態。
お店のスタッフに横から見てもらうと、より正確に判断できます。

2.  ランドセルと体が平行かどうか

後ろから見たときに、ランドセル本体とお子さんの背中がしっかり平行になっているかも大切なポイント。背中とランドセルの間に隙間が空いていたり、どちらかに傾いていると、負担が偏ってしまいます。

この場合は、肩ベルトの長さや背カンの調整で改善できることが多いので、調整機能があるかどうかも選ぶ際のポイントになります。

3. 自然な姿勢で歩けているか

ランドセルを背負った状態で実際に少し歩いてみるのもとても重要です。

・前のめりになっていないか
・背中を丸めていないか
・不自然にバランスを取ろうとしていないか

など、普段通りの姿勢で歩けているかどうかをしっかり観察しましょう。子どもは無理をして「大丈夫」と言ってしまうこともあるので、大人が外からよく見てあげることが大切です。

空の状態での軽さではなく、実際に荷物を入れた状態でのフィット感を確認することが、ランドセル選びの成功のカギです。

先輩ママが選んだ!ランドセルに必要な機能ベスト6

ここでは、実際にランドセルを使っている先輩ママたちから支持された、本当に役立つ6つの機能をご紹介します。

① 収納力|教科書も体操服もスッキリ収まる

近年のランドセルは教材が増えていることもあり、マチ幅(奥行)12.5cm以上あると安心です。さらに、A4フラットファイル対応だと、学校から配布されるプリント類も折らずに収納できます。前ポケットも「マチあり」だと、GPS・ハンカチ・パスケースなどもきれいに収まり、使い勝手が格段に上がります。

② 立ち上がり背カン|肩や腰への負担を軽減

「背カン」とは、ランドセルと肩ベルトをつなぐパーツのこと。
立ち上がり式背カンは、ベルトが立体的に起き上がる構造になっており、ランドセルが背中にしっかりフィット。その分、重さが分散されて肩や腰への負担が大幅に軽減されるので、特に小柄な子や通学距離が長い子に人気です。

③ 反射材|暗い時間帯の登下校にも安心

日が短くなる冬場や、雨の日・夕暮れの帰宅時には、車からの視認性がとても大切。

ランドセルの各面(前・横・肩ベルトなど)に360度反射材がついていると、どの方向からでも目立ち、安全性がぐっと高まります。

④ 両開きポケット|左右どちらの手でも開けやすい

前ポケットが左右どちらからでも開けられる「両開き仕様」になっていると、利き手に関係なく使いやすく、荷物の出し入れもスムーズ。急いでいるときや手がふさがっているときにもサッと開けられるので、子ども自身のストレスも減らせます。

⑤ 自動ロック錠前|うっかり閉め忘れを防止

登校中にランドセルのふたが開いてしまって中身を落とした…というのは、実はよくあるトラブル。自動ロック式の錠前であれば、フタを軽く押すだけでカチッと自動でロックされ、閉め忘れを防げます。1年生など、まだ手先の操作に慣れていない子にも安心です。

⑥ ナスカン|安全性&使いやすさに優れたフック

ナスカンは、ランドセルの側面についているフックのこと。
従来の「Dカン」よりも開閉が簡単で、引っかかりにくく外れやすい安全設計がされています。給食袋や交通安全グッズなど、ランドセルの外側にぶら下げる小物が多い時代だからこそ、子どもでも使いやすい形状かどうかは大切なポイントです。

小さな機能の違いが、6年間の快適さを左右します。見た目や重さだけでなく、こうした“日々の使いやすさ”にも目を向けて選びましょう。


まとめ

・素材・機能・フィット感を総合的に比較することが後悔しない鍵
・子どもと一緒に納得できる1つを選ぶことが、6年間の満足につながる
・見た目や価格だけでなく、信頼できるメーカーや保証体制も確認を

ランドセルは、単なる学用品ではなく、子どもと6年間をともに過ごし、モノを大切にする心を育む成長のパートナーです。だからこそ、「一度きりの選択」で後悔しないよう、親子で納得のいくランドセルを選びましょう。後悔のない選択を、ぜひ。

【参考動画】

後悔しないランドセル選び5ヶ条

\ランドセルの違い/人口皮革VS本革

\こんな人におすすめ!/工房系とメーカー系ランドセルの違い

\このランドセルで大丈夫?/ フィッティング時の3つのチェックポイント

\先輩ママに聞いた!/ ランドセルに必須な機能

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井戸田和之

株式会社村瀬鞄行/職人パパ

高校生の頃に独学でレザークラフトを始め、大学卒業後に株式会社村瀬鞄行に入社。2022年に鞄技術認定1級を取得し、現在は同試験の試験官も勤める。また2児の父であり、自身もランドセルで通勤している視点から、「職人パパ」としてSNSを中心に情報発信も行なっている。

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